実は、隠れ肥満を気にしている私。
今朝のテレビで、初めて聞いた第三の脂肪、「異所性脂肪」という言葉
皮下脂肪と内臓脂肪と闘っていればいいわけではなかったんです。
異所性脂肪の存在を知って、気になるのは、次の5個の疑問
- 異所性脂肪とは
- どうしてつくの
- つくとどうなるの
- どうやったら取れるの
加古川医師会の公式ページには、こんなふうにズバリ説明していました。
異所性脂肪が存在する臓器は主に膵臓、筋肉、肝臓、心臓(血管周囲)であり、過栄養、高脂肪食、運動不足の結果、皮下脂肪蓄積や内臓脂肪蓄積が一定レベルを超えると、余ったエネルギーが異所性脂肪として蓄積され、メタボリック症候群や糖尿病、動脈硬化等の病態に関わってくる事になります。
異所性脂肪とは
脂肪が増える順番としては、皮下脂肪で、内臓脂肪、そして異所性脂肪になります。
つまり、異所性脂肪とは、簡単に言うと、皮下脂肪や内臓脂肪の脂肪組織に入りきらなくなった脂肪が“本来たまるはずのない場所”に蓄積されたもの。
この本来溜まるはずのない場所というのが、よくわからないと思いますので説明しますね。
脂肪は本来、脂肪細胞のある場所、つまり皮下脂肪や内臓脂肪に蓄積されます。
ところが異所性細胞は、脂肪細胞のないところ、つまり肝臓の中の肝実質細胞(肝臓を構成し、肝機能を実質的に動かす細胞)や骨格筋に存在する筋細胞などに蓄積されます。
(冷蔵庫に入りきらない野菜が、ベランダに置かれるみたいなイメージか?)
なるほど…
三番目の脂肪、場違い脂肪、エイリアン脂肪といった呼び方もあるみたい
異種性脂肪はどうしてつくの
異種性細胞は、心臓や肝臓、膵臓といった臓器自体やその周囲、さらには筋肉(骨格筋)につきます。
異所性脂肪蓄積のプロセスは、先ほど言った通りです。
食べ物を摂取すると、ブドウ糖が増加して血糖値が上がります。
血糖値が上がると、インシュリンが働き、血液中の血糖値を下げるために糖分は細胞内へと取り込まれます。
この際、肝臓の脂肪細胞内では、ブドウ糖に由来するグリセロール(グリセリン)と使い切れなかった余分な遊離脂肪酸(脂肪が消化されてできる分解産物)から中性脂肪が合成されます。
この中性脂肪が、脂肪細胞のある場所に蓄積されると、皮下脂肪や内臓脂肪になってプロポーションを崩し、脂肪細胞のない内臓(肝臓、心臓、すい臓)や血管周囲や、骨格筋に溜まって異所性脂肪になるんだね。
※ちなみに、ダイエットに役立ちそうなので、脂肪細胞について補足すると、 中性脂肪の合成をする脂肪細胞は、思春期までに最大になり、それ以降は増えも減りもしません。 子供のころに太っていた人が、容易に肥満になるのは、脂肪細胞が多いからと言えます。 ただし、子供のころに痩せていた人も油断は禁物、数は増えなくても脂肪細胞の一つひとつが肥大化します。
「皮下脂肪蓄積や内臓脂肪蓄積が一定レベルを超える」のは、どういうレベルになったときなのか、無性に気になりますが…
異所性細胞がつくとどんな病気になるの
日本人は、あまり太っていないのに生活習慣病になってしまう人が増えているのは、この異種性細胞の存在が影響していると思われます。
皮下脂肪がつきにくい反面、異所性細胞がたまりやすいということです。
あー、恐ろしい隠れ肥満・・・
異所性脂肪が内臓脂肪以上に危険だといわれるのは、臓器に蓄積した場合に、その臓器が持つ機能を悪化させるからです。
心筋梗塞や糖尿病など、さまざまな生活習慣病につながってしまう危険性があります。
膵臓に就くと糖尿病
膵臓内に脂質が蓄積すると、血糖を下げるホルモンであるインスリンが作られにくくなったり、インスリンを分泌する細胞が壊れて減ってしまったりすることでインスリンの分泌が低下し、結果、糖尿病の発症につながります。
肝臓につくと脂肪肝
お酒を飲まない人でも脂肪肝になるのは、今や常識ですね。
脂肪肝は、やがては肝硬変や肝がんの原因にもなりかねない危険な病気です。
心臓周辺につくと
心臓の周辺、心筋細胞内・外、心外膜周囲にも異所性脂肪がつきます。
また、酸素や栄養を運ぶ血管に悪影響を与えることがあり、血管(動脈)周囲の脂肪が増加すると、脂肪から産生された物質が血管の壁に直接影響し、動脈硬化を引き起こすと考えられてきています。
心臓周囲脂肪は、冠動脈の動脈硬化を引き起こし、狭心症や心筋梗塞の原因となる可能性があるようです。
特に男性は、加齢とともに心臓周囲脂肪量が蓄積する傾向があるので要注意です。
(調べれば調べるほど、怖くなるので、この辺で止めておこう・・・)
骨格筋につくと
正常な骨格筋は食事で摂取した糖質を吸収し、エネルギーとして蓄えています。 しかし、骨格筋に異所性脂肪がたまるとその働きが低下して、インスリンの働きが悪くなってしまいます。
意外に感じたのですが、こうして臓器ではなく骨格筋に脂肪がたまることでも、糖尿病のリスクがは高くなってしまうようです。
その場合、極上牛肉のような霜降りになるのかな、と思って調べてみました。
なんと、筋肉の中には、脂肪細胞が存在していて、そこにたまった脂肪はやはり霜降り状態になって、見ることができるんですって。
でも、脂肪細胞ではないところにたまった異種性脂肪もあって、これは目に見えないそうで、その目に見えない脂肪が多い人ほどインスリンの働きが悪いということもわかっているそうです。
見えないからこそ異所性脂肪は、こわいものと言えますね。
脂肪肝、やがては肝硬変や肝がん、心筋梗塞、糖尿病など、異所性脂肪がつくような生活習慣を続けていると、危険な病気になるリスクが高まることは間違いなさそうです。
健康診断で、「コレステロールや中性脂肪、高血圧など、ちょっと高目だが、自分は元気だから大丈夫」なんて、油断していてはいけません。
異所性細胞を減らすには
残念ながら今はまだ、異所性脂肪をどのように減らしていくかについての定説はありません。
でも、異所性細胞は、皮下脂肪や内臓脂肪で蓄積できない分が、異所性脂肪になるとわかっています。
ですから、皮下脂肪や内臓脂肪がつくような食事習慣や運動不足を改善すれば、防げるということになるのではないでしょうか。
具体的には、3000歩くらい多めに歩くとか、間食を辞めるなどはが有効でしょう。
内臓脂肪が減る(お腹がへこむ)ように、食事制限をしたり運動療法による減量を続けていけば、並行して異所性脂肪も減っていくということです。
対策は、簡単でした。
それに関して、一つのデータがあります
(参考:田村好史「肥満症と異所性脂肪」最新医学 第68巻第1号 2013.1 より)
2型糖尿病の人に対して運動療法を行ったところ、明らかな効果が得られたという報告もあります。そのケースの場合、増加した運動量は平均160kcalで、歩数にすると3000~5000歩程度の運動です。それでもたった2週間で、骨格筋細胞内脂質量を約20%も低下できたというのです
まとめ
異所性脂肪は、本来は脂肪があってはならない場所につくから異所性脂肪と呼ばれるわけです。
皮下脂肪や内臓脂肪に脂肪が溜まるのは、程度を超えなければいいんですが(女性にとっては、どちらも宿敵なんですけどね~)、異所性脂肪は病気の元。
ちなみに、内臓脂肪は、文字通り内臓にたまるものではなく、「ちょうかんまく」(腸間膜)といって、お腹の中にあって腸を固定する膜にたまる脂肪。
さて、女性の皆さん
十代のころから、皮下脂肪で、太ももや二の腕にたまった脂肪を何とかせねばとばかり考えていきた女性が多いと思います。
私もそう・・・
中年になって内臓脂肪が気になりだしました。これが増えると、お腹がぽっこりと出てしまうわけ。
女性らしさは、ウェストのくびれにあると信じている私としては、下腹ポッコリはぜったい許せません。
そこで、たくさんお金をかけて、お腹が出ないようにガードルでギューギュー締め付けて、細いウェストを保つ努力をしてきました。
それでも、体脂肪率が上昇しているんですね。
その脂肪は、どこについているんだろうか。
異所性脂肪なのかな~~
血液検査で異常値が出ていませんか?
サイズなど、見た目だけを気にするのではなく、肝臓など見えない部分も気にしましょう。
身体の中が順調に機能しているかどうか、定期的な健康診断が必要だということがわかりましたね。