糖質制限に反対する専門家は多い
糖質制限が大ブームになっている昨今、低糖質は痩せるための絶対条件のように考えている人が多くなっています。しかし、糖質を必要以上に制限するのは危険だと警鐘を鳴らす専門家は多いということも知っておきましょう。
抜粋?
このサイトには、一日に最低限度、”摂取すべき糖質量は120g”とあります。つまり、120gを切る糖質制限はすべきではないということです。
「脳と赤血球が必要とする糖質の量が120g。これ以外に、基礎代謝や活動代謝にも糖質が使われるため、最低でも一日の糖質量は150g以上が必要になります。 これ以下になると、低血糖を防ぐため、体は糖質の消費を抑えようと代謝を落とし、痩せづらい体になってしまいます。」
このように言うと、
金森先生や江部先生の著書を開いて、必要な糖質はケトン体や糖新生によって自分で作りだせる仕組みがある、外から糖質を摂らなくても何ら問題はないと反論する人がたくさんいらっしゃるかもしれません。
ケトン体と糖新生で本当に十分なのか
実際に金森式などの徹底した糖質制限で多くの、100㌔超えの肥満者が何十㌔も痩せているじゃないかと、大ブーイングが巻き起こるでしょう。
低糖質ダイエットの白黒はまだついておらず、現状では、まるで宗教戦争のような状況が起きているのです。
疑問点はいくつかあります。
ケトン体と糖新生で、体に必要なエネルギーは、完璧に賄えるのか。
確かに、体につきすぎた脂肪を落とすには、金森式やケトジェニックが有効なことは間違いないです。
しかし、極端な糖質制限には危険が伴うことを無視するべきではないと思います。
2018年に発表された研究では、45~64歳の約1万5000人のアメリカ人を面接し、食事摂取頻度を調査して25年間追跡し、炭水化物の摂取割合別に亡くなった人を数えあげました→「コホート研究」
総摂取カロリーに占める炭水化物の割合が50~55%のときに最も死亡率が低く、それより多くても少なくても死亡率が高くなることが示唆されました。
この結果からみると、炭水化物を摂らないことは摂りすぎることよりも危険といえるかもしれません。
もちろん、炭水化物の替わりにどんなものを食べていたかも死亡リスクには影響するでしょうから、一概に言えないとは思いますが…
極端な低糖質ダイエットを健康的な食事だと信じて長期間続けるようなことはすべきではないでしょう。
糖質10%以下のような徹底した糖質カットは、空腹感がないだけでファスティングと同じです。計画的に時々行うならメリットがありますが、ずっと続ければ健康を害することを知るべきです。
抜粋?
糖質の摂取割合が低い低糖質群(総摂取熱量の30~40%)と高糖質群(60~70%)を比較したところ、総死亡のリスクは低糖質群の方が31%高く、低糖質・高たんぱく質の集団と高糖質・低たんぱく質の集団を比較した場合も、低糖質・高たんぱく質群の死亡リスクが30%高くなりました。
高糖質食(総摂取熱量の60%程度)の人々と、低糖質食(35~37%)の人々を比較したところ、総死亡リスクは低糖質食の方が12%高く、さらに低糖質+動物性食品群では23%高くなりました。低糖質+動物性食品群では、循環器疾患による死亡のリスクが14%、がん死亡のリスクも28%高くなっていました。一方、低糖質+植物性食品群では、高糖質群より総死亡のリスクが20%、循環器疾死亡のリスクも23%低くなりました。
糖質制限はほどほどに、時間をかけて痩せる
糖質制限は、糖質を150gを限度として行うべきであること。
減量目的で行う場合、短期間で低糖質で体重を落としたら、徐々に糖質を50%摂る食生活に戻すべきだということです。
金森式では、男性で一か月に10キロ、女性で5キロの減量が可能なので、ほとんどの人は半年も続ければBMIは正常値に近づくでしょう。
もっともっとと欲をかくことはせず、徐々に普通のバランス食に戻し、運動を取り入れていくことが、美容と健康を兼ね備えた理想のダイエットなのではないでしょうか。
ただし、戻すといっても、肥満につながるような食べ方に戻すことはあってはいけません。
健康に良い食事とは、汚染されていない自然なものをホールで買って自分で調理して食べるということです。
ジャンクフードや加工食品、低価格な外食チェーンのレストランで、手っ取り早くお腹を満たすというのは間違いであることを肝に銘じましょう。