中国で年間11万人を超える死者をだす有害物質、なぜ止められないのか

 

昨日は中国の石膏ボードについて書いたけど、中国の部屋の中の有害物質は、それだけではありません。

シックハウス症候群とは、建材、塗料、接着剤、家具などから出る有害な化学物質(ホルムアルデヒドなど)が原因で、目やのどを刺激したり、めまいをおこしたり、頭痛など、健康障害や体調不良を引き起こすことをいいます。

中国では、この病気がとても深刻で、それによる死者の数は、中国全土で年間11万人を超えているそうで、中国の年間の交通事故死亡者数に匹敵するという報告もあるそうです。(中国室内装飾協会の発表)

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特に子供への影響が大きく、白血病を患う子供のうち約8割が半年以内に自宅を新築またはリフォームしており、病気との間に何らかの因果関係があると考えられているそうです。(上海市児童医学中心の発表)

どんな物質が危険なのでしょうか

人体に深刻な影響がある化学物質としてホルムアルデヒド、ベンゼン、アンモニア、ラドン、総揮発性有機化合物の5つらしく、これら物質に対しては、中国は基準値を設けています。

でも、調査すると、ほとんどの家屋が、基準値を超えているそうです。

中国に悪質な建材や室内装飾材が蔓延している理由は、建材取扱業者や、内装工事業者のうち、まともな営業を行っているのはごくわずかで、殆どの業者が低価格を武器に無責任なやり方で商売をしているからだといわれています。

とにかく、モラルより利益最優先、粗悪品を製造するメーカーが多く、販売者もそれを承知で販売、内装工事を行う業者も、粗悪品を平気で使ってしまっています。

ここで、建物を建てる施主側が、粗悪品を使ってもらいたくないという思いがあれば、だんだん粗悪な材料は使えなくなり、売れなくなり、作らなくなるはずですよね。

ところが、消費者ももできるだけ工事代を安くあげようとするために、ただ安い材料を、安い業者に請け負わせてしまう。

それで、シックハウス症候群は、なくならないのです。

さらに、この悪循環は、内装工事に限りません。

中国の生活スペースや職場に存在する、家具やカーテン、絨毯、ビニール、紙にいたるまであらゆるものに、有害化学物質が含まれているというのですから、

中国で、安全な部屋で生活することは出来そうにありません。

しかも恐ろしいことに、気温が上がる夏には、室内の有害物質の発生量は普段より30%増えるとか…

空気清浄機を求めるに当たり、PM2.5除去率とホルムアルデヒドの除去率を参考にする人が多いが、評判の良い機種でも、ホルムアルデヒドの除去率は50~60%程度で、宣伝している通りの検査結果は得られなかったようです。(中国中央テレビ(CCTV)が番組で検査した結果)

中国の超富裕層の方々が、日本の空気清浄器を何台も爆買いしていく気持ちはわからないでもないですが、その効果は、宣伝ほどではないんですね。

ちなみに、ホルムアルデヒド対策をするなら、強制的に24時間換気することが、もっとも、有効だそうです。空気清浄器は、あくまでも、補助的なものと考える方がよさそうです。

そういえば、中国で売られているパナソニック空気清浄機のPM2.5除去性能は、中国で評価されていて、中国室内環境監測委員会から、「2012年室内環境保護業界十大ニュース賞」と「2012年度中国室内環境保護業界 新商品重点推薦賞」の2賞の表彰を受けたそうです。(パナソニックのホームページより)

今後、ますますシックハウス症候群に対処する、良い製品ができてくることを祈ります。

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