GLP-1ダイエットは、糖尿病の処方薬を使って減量するダイエット法。
この薬剤は、本来は2型糖尿病をコントロールするために処方されるもの。それを、かならずしも糖尿病でない人にダイエット目的で処方するクリニックが登場しているということです。
- GLP-1を痩せるホルモンと紹介したテレビ番組
- GLP-1を自力で増やす方法
- ビクトーザの減量効果への期待
- 専門家の見解~GLP-1って?
- 【体験談】ビクトーザを使ってみたところ
- GLP-1メディカルダイエットの出現
- クリニックで使われるGLP-1受容体作動薬
- GLP-1メディカルダイエットの値段
- ビクトーザの効果は100%?
- GLP-1ダイエット被害者の会
- 個人輸入で手に入る韓国の「サクセンダ」
- GLP-1ダイエットができるクリニック
- まとめ
気になるのは、本当に確実に痩せられるのかという点
GLP-1を痩せるホルモンと紹介したテレビ番組
GLP-1を痩せるホルモンとして紹介したのは、テレビです。ご覧になった人も多いのではないでしょうか。
やせるホルモン(GLP-1)を大量に出す方法!楽ちんダイエット!
GLP-1を多く分泌できる人は太りにくいから、GLP-1を多く出すために食物繊維が豊富な食べ物やEPAを多く含む魚を食べると良いという内容。
ちなみに、GLP-1を増やすためには、腸内環境が良好な方がいいので、そのためにでできることがあります。
GLP-1を自力で増やす方法
?内容
このような情報に触れ、痩せホルモンGLP-1について興味を持った人は大勢いたことでしょう。
GLP-1を増やそうとしてサバやアボカドがバカ売れするくらいの話なら問題ないのですが、その中で糖尿病患者がGLP-1の投与で体重が減ったという話も流れたらしいです。
ビクトーザの減量効果への期待
ある人が、ビクトーザで本当に痩せられるのかYahoo!知恵袋で質問していて、興味深かったので、紹介しておきます。
やせホルモンってのは嘘。食事療法と運動療法を行った結果やせただけだと思いますよ。中枢性食欲抑制作用はありますが、食事療法の助けになるだけで、これでやせると言うことではない
単独使用では低血糖になりにくいとはいえ、健康な人が使ったらどんな悪影響が出るかはわかりませんから、興味本位なら手を出さないほうが身のため
インスリンの作用は血中の糖を筋肉や脂肪に取り込ませる事で血糖値を下げるわけですが、ここで問題です。運動不足、食べ過ぎから肥満になり、糖尿病を発症した人が食事や運動は改善せずにビクトーザを使うと…筋肉は運動していないのでさほど糖を消費できず、ひたすらエネルギーは脂肪に溜まる。つまり、太ります。
ビクトーザの減量効果を過信すべきではなさそうです。
専門家の見解~GLP-1って?
この件について、岡山済生会総合病院 情報誌「やわらぎ」に解説がありました。
「やせるホルモンGLP-1って何?」糖尿病センター長 中塔 辰明
?内容
特徴的な作用として、食欲を少し抑えてくれる働きがあります。胃の運動を抑えることで食事中に満腹感が現れやすく、食間もお腹が空きにくいなどの効果が認められることも多く、そのため食事量が抑えやすくなり、体重が減少します。
今回やせるホルモンとして紹介されたのはこうした作用がクローズアップされたものです。
【体験談】ビクトーザを使ってみたところ
ビクトーザを初めて処方してもらったとき、医師が、食欲が落ちて体重が減ると言ったので、ひそかな期待を抱いて一か月半、せっせと注射を続けた夫、その結果はどうだったか。
HbA1cの数値は6.4(正常値に近い)になり、体重は…
なんと4キロも落ちました!
一緒にいる私が気づいた変化は、間食が少なくなって、食事の量が減りました。大好きなラーメンもハーフで十分というようになり、定食をとってもご飯には手を付けないほど。
逆に、栄養が不足するのではないかと心配になるくらいです。
パン屋さんにも立ち寄らなくなり、コンビニでも甘いものに手を出しません。
以前は、食事のあと30分もすればおやつや果物に手を出す人でしたから、それに比べたら大きな変化でした。これが、ビクトーザの影響なら、夢のダイエット薬といえるかもしれません。
夫のような、いつもお腹が空いていて、満腹感を感じにくく、間食が多いおデブさんには、ビクトーザは効果があるのかも。
副作用は、時々の吐き気と、めまい、血圧の低下くらいでしょうか。ちょっと心配もしています。
GLP-1メディカルダイエットの出現
そもそもの話。元々、糖尿病の治療目的で使われていたビクトーザですが、使った患者のうち、体重を減らせた人がいくらか(2~3%)いたため、ダイエット目的で使用してはどうか、って話になったのではないのかな。
ダイエット目的での処方が認められた?
クリニックのサイトによると、GLP-1注射はアメリカで2014年12月、欧州で2015年3月に肥満治療薬として承認されています。(参考:https://shigeto-cl.com/lp/)
クリニックで使われるGLP-1受容体作動薬
GLP-1受容体作動薬は、ビクトーザ以外に数種類あって、注射タイプ意外に経口タイプも作られています。
一般名:リラグリチド
ビクトーザ皮下注18mg一般名:エキセナチド
ビデュリオン皮下注用2mgペン
バイエッタ皮下注5μgペン300
バイエッタ皮下注10μgペン300一般名:リキシセナチド
リキスミア皮下注300μg一般名:デュラグルチド
トルリシティ皮下注0.75mgアテオス
この中で、FDAが高肥満薬として承認したのは、一般名:リラグリチドのサクセンダだけ。(参考:https://ameblo.jp/hdcatlas/entry-12477220117.htm)
サクセンダは、ビクトーザと同じ成分で容量が違う製品なのに、ビクトーザは糖尿病用で、サクセンダはダイエット薬という扱いをされているわけです。
米FDA 体重管理薬Saxendaを承認 | ニュース | ミクスOnline
?内容
米食品医薬品局(FDA)は2014年12月23日、デンマーク・ノボノルディスク社の体重管理治療薬Saxenda(リラグルチド)注射剤を承認した。適応は、成人におけるBMI(体格指数)が30以上(肥満)もしくは27以上(過体重)で、高血圧、2型糖尿病もしくは高コレステロール血症の少なくとも1つ以上の体重関連疾患をもっている患者に対する、運動療法および食事療法の慢性体重管理における補充療法。
サクセンダを使うには条件があって、BMIが27以上(160センチの女性で70キロくらい、170センチの男性で80㌔くらいですかね。)。さらに肥満症が原因の疾病が一つ以上あり、運動や食事制限も行っている人。
日本のクリニックでも、同様の条件を設定しているのかな。でも、適応条件をサイトに謳っているところはありません。
GLP-1メディカルダイエットの値段
保険外適用なので、一か月分が最低でも10万円以上。15万円のところもあるみたいです。(価格など詳細は、記事の最後のほうに各クリニックのサイトをいくつか拾って載せたのでクリックしてご覧ください。)
ぶっちゃけ、ビクトーザ1.8㎎の価格は一本10,435円で、一か月に3本使うとして、31,305円ですから、薬剤意外の診察や検査、サプリメントなどに、10万円くらいかかるということですね。
ほーーー
ちなみにビクトーザを糖尿病で処方される場合は、保険が効きます。
糖尿病の夫がはビクトーザを処方してもらっていますが、毎日0.9㎎(一か月に二本)の使用で、ほか9種類の薬も含めても8100円しかかかっていません。
これ聞いたら、クリニックに通っている人、怒っちゃうかもね。
ビクトーザの効果は100%?
先ほど言ったように、このダイエットで痩せられる人は限定的で、人によっては効果がなかったり、逆に太ったり、体を壊しちゃうこともあるようです。
その辺は、医師がしっかり検査と問診で、合う合わないを診断してくれると信じたいところです。
GLP-1ダイエット被害者の会
ネット上には、GLP-1ダイエットにお金をたくさんかけたのに、ちっとも痩せないといっている人がいます。中には、被害者の会を作るべきだという人まで…
- 30万円支払って半年分のビクトーザを渡されて、体に合わないから返品しようとしたら断られた
- 三か月使用したが、少しも痩せないので、返品したい。騙された。
痩せホルモンを注射すれば、食事制限も運動もしないで楽に痩せられると信じて、ビクトーザやサクセンダを買い求めても、必ず痩せるという保証はないし、逆に太るか、身体を壊す可能性もある、というのが、ビクトーザによるGLP-1メディカルダイエットの限界なのかもしれません。
自分が、ビクトーザで痩せるかどうかは、生活習慣や食事のとり方も影響するようです。
例えば、痩せる必要がないスレンダーな女性が、クリニックにサクセンダを求めに行ったらどうなるのでしょうか。
或いは、元々小食な人や、極度の食事制限をしている人が、サクセンダを飲んだらどうなるのでしょうか。
この点を、ノボ・ノルディスク側は「臨床実験はBMI値27以上の18歳以上の成人のみ対象にしたので正常体重や小児と関連した臨床データはない」と明かしています。
実際、そんなバカなことは、医師の管理下で行われる限り起きるはずがありませんが、お隣韓国では、サクセンダの乱用が問題視されているらしいです。
個人輸入で手に入る韓国の「サクセンダ」
韓国でも、本来は医師の処方でしか買えない「サクセンダ」ですが、医師のモラルが低いせいなのか、診察なしで簡単に買えるらしいです。
それで、サクセンダを試したい日本人が、韓国に行って入手する人がいるらしいのです。これは、大変危険なことです。
肥満患者を対象に医師の診療のもと使用されなければならないのに、まるで化粧品を買うように肥満でもない20~30代の女性たちが、友達同士で共同購入をしたり中古売買をしたりしている。
主婦の崔さん(47歳)は病院にも行ってない。彼女は「友達が買ってくれたのを3週間毎日打っている」と語った。
SNSで探した「サクセンダ」を販売している病院(皮膚科)に行って「買いたい」と言ったら医師はBMI値や病歴を聞きもせずに処方してくれた。
18歳未満の未成年や妊娠中・授乳中は原則的に使用することが出来ないが、韓国では小児科と産婦人科でも販売されている。
日本では、非合法に入手することはできません。それならばと、韓国から個人輸入してこっそり痩せちゃおうなどと思ってはいけません。
GLP-1ダイエットができるクリニック
GLP-1ダイエットは、クリニックでしかできないダイエット法なので、通院できる範囲に取り扱う病院がないと実践できません。
ただし、クリニックの中にはオンライン診療ができるところもあります。顔を見ないで大丈夫なんでしょうか。
まとめ
痩せることに命もかけそうな人がいますが、安易に薬に頼り、非合法なやり方で入手するのは本当に危険だと思います。
もしあなたが、BMI27以上の肥満で、運動や食事制限に取り組んでいるのに痩せられない場合、サクセンダが必要なのかもしれません。
しっかりとした医師の管理のもとに、このダイエットの有効性を診断してもらい、注意事項等、説明を聞き、正しいやり方で取り組むことが大切です。
そうすれば、サクセンダは人生を変えるダイエット薬になりえるでしょう。
今後は、経口タイプの抗肥満薬が出回るようになるかと思いますが、乱用を避けて、正しく使っていきましょう。